日本の道・道路がわかる雑学広大な北海道は道路も長い Photo:PIXTA

道をたどれば、歴史と文化が見えてくる。地理・地図研究家の浅井建爾氏の文庫新刊『日本の道・道路がわかる雑学』からの一部抜粋で、知っているようで知らない、日本各地の道にまつわる意外な事実、トリビアを紹介していく。

面積が広大な北海道、
道路距離も9万674kmと日本一

 道路は日本の隅から隅まで、まるで体内を流れる毛細血管のごとくに、網の目のように張り巡らされている。とはいえ、人口に過疎と過密があるように、道路にも過疎と過密地域がある。道路の密度は都市部で高く、山岳地帯や農村、山村地域で低いことは、常識的に考えれば誰にでもわかることである。

 では、都道府県で道路の延長距離が日本一長いのはどこだろうか。いうまでもなく北海道である。北海道はほかの都府県と比べてズバ抜けて大きく、面積は約7.8万km2(北方領土を除く)と、日本の総面積の実に21%を占めている。道路の延長距離が9万674kmで日本一長いのは当然のことといえる。

 面積の順では岩手県が2位、福島県が3位となるのだが、道路の長さとなるとそうはいかない。岩手県も福島県も人口密度が低く、従って道路の密度も低い。