「AIに仕事を奪われる!」と不安な人が思いも及ばない“準備の流儀”とは写真はイメージです Photo:PIXTA

新たなテクノロジーが現れると、「AIに仕事を奪われるのか」等々、働き方や職業に対しての影響が議論される。今後も新たなテクノロジーは次々に登場してくるだろう。そこでビジネスパーソンに必要なことは、影響について議論することではない。今回、読者の皆さんに伝えたいのは「淘汰されないビジネスパーソンになるために、令和でやるべき『準備』のススメ」だ。(キャスター取締役 石倉秀明)

新しい波が押し寄せてきたとき
後手に回ることを防ぐには?

 2023年に入ってからビジネス界において最も話題のサービスといえば「ChatGPT」だろう。2月頃から技術者をはじめとして最先端のテクノロジーに敏感な人がちらほら使い始め、SNSにその様子をアップしていた。そしてあっという間に筆者のSNSのタイムラインでも「ChatGPTでこんなことをしてみた!」といった活用例がアップされるようになった。

 Microsoft社が自社の検索エンジンである「Bing」にChatGPTを実装したり、Googleも対抗サービスであるBardを発表したりとグローバルなテック企業がこぞって対策を立てている。

 こういったテクノロジーが現れると、私たちの働き方や職業に対しての影響がささやかれることも少なくない。今回であれば「AIがこのまま発展すると私たちの仕事は奪われるのか、そうでないのか」「Googleを使った従来の検索はしなくなるのではないか」などである。こういう話は誰でも意見を表明できるし、影響が大きいこともあり、私たちも大いに関心を寄せることになる。

 だが、正直一ビジネスパーソンとして、上記のような議論をすることにはあまり意味はないと思っている。それは、将来AIが仕事を奪うレベルになるとしたら個人がどんなにあらがっても無力だからである。「AIが発展したら仕事がなくなってしまう」と「反応」したところで何にもならない。それより私たちがやるべきはきちんと備えること、つまり「準備」である。

 実は、こういった目の前で実際不利益が起きたり、よくないことが起きそうなことがわかったりして初めて「反応」するというのは日常茶飯事だ。本来は前もって予測し、事前に対策を打てるといいわけだが、どうしても目の前に何か不利益が起きないと課題を感じず、対策が後手後手になってしまうことは少なくない。

 では、後手に回ってしまうことを防ぐにはどうするか。