毎年恒例の、農業で「使える&期待外れツール」ランキング2023を発表する。今年は衛星データを活用するサービスの人気が急上昇した。宇宙利用を巡り、JA全農とスタートアップがシェア争いで激突している。特集『儲かる農業 下剋上 ピンチをチャンスに』の#5では、「衛星」「AI」「カーボンクレジット」など気になるキーワードが頻出する農業のイノベーションの最前線に迫る。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
農業ツール、アプリを忖度なしに格付け
全農とベンチャーが生産DXでシェア争奪!
ダイヤモンド編集部による「農業ツール選手権」の、役立った生産DXツール部門1位はクボタの営農支援システム「KSAS」だった。
大手農機メーカーが多額の研究開発費を投じているだけに、会員数(2万1735人)も、満足度も他の追随を許さない。
2022年2月から、農地100カ所までなら無料で、営農情報のデータ管理を含む高度なサービスが受けられるようになるなど、猛烈な勢いで会員獲得に動いている。実際、会員数はこれまでの10倍の伸びを示しているという。
ただし、足元でKSASの競合になる勢力が伸長している。
次ページでは、「人工衛星」や「AI(人工知能)」などを活用し、王者クボタの牙城に攻め入ろうとする挑戦者や、農産物の販売アプリの得票数を明らかにする。