写真:東海道新幹線 京都駅(駅名標)Photo:PIXTA

JR東海は2026年度、京都で新ホテルを開業する計画だ。同社グループは、駅ビルなど自社用地を中心にホテル事業を運営してきたが、土地を購入して「自前」のホテルを展開する試みは初となる。新幹線に業績を依存する「新幹線一本足打法」とかねて指摘されてきたJR東海が、あえて今、自前でのホテル事業に参入するのはなぜか。(ダイヤモンド編集部 梅野 悠)

JR東海が京都駅南側に新ホテルを計画
駅ビルなどの「自社用地」以外では初

 JR東海が2026年度中に開業を計画する新ホテルは、京都駅南側の八条東口から徒歩3分のところに立地する。昨年7月にJR東海傘下のジェイアール東海不動産が約3000平方メートルの土地を購入した。新ホテルの運営は、同じく傘下のジェイアール東海ホテルズが担う。

 JR東海グループが運営するホテルとしては7軒目となるが、従来手掛けてきたホテルとは全く異なる。これまでの6軒が、駅ビルなどの自社用地を中心に展開してきたのに対し、新ホテルは新たに土地を取得して開発する案件だからだ。

 JR東海は営業収益ベースで運輸業が全体の8割を占め、7割のJR東日本などと比べ、運輸業の比重が大きい。“ドル箱”路線の東海道新幹線を抱えているためで、以前から「新幹線一本足打法」とも評されてきた。

 ただし、新型コロナ禍では、その分ダメージも受けることになった。同社の23年3月期の最終損益は1410億円の黒字(前期は519億円の赤字)を見込む。黒字転換は3期ぶりとなる見通しだが、東海道新幹線の利用客数はコロナ禍前の8割程度にとどまり、利益水準は4割にも満たない。

 では、このタイミングでなぜJR東海は自前でホテル事業に参入するのか。一本足打法からの脱却の動きといえるのか。

 実は、今回の新ホテルは、多角化を目指して鉄道以外の事業にすでに注力してきたJR各社の動きとは異なる。次ページでは、JR東海が自前ホテルに参入した真の理由を明らかにするとともに、激戦区の京都での戦いの成否を占う。