新型コロナウイルス禍に円安、資源・原材料の高騰、半導体不足など、日本企業にいくつもの試練が今もなお襲いかかっている。その中で企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はデンソーやブリヂストンなどの「自動車部品/産業車両」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
自動車生産が回復傾向
ブリヂストンが初の売上収益4兆円超
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の自動車部品/産業車両業界3社。対象期間は22年8~12月の直近の四半期(3社の対象期間はいずれも22年10~12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・デンソー
増収率:13.3%(四半期の売上収益1兆6156億円)
・ブリヂストン
増収率:22.1%(四半期の売上収益1兆1331億円)
・豊田自動織機
増収率:22.3%(四半期の売上高8651億円)
自動車部品/産業車両業界の主要3社では、全社が前年同期比で増収となった。ブリヂストンと豊田自動織機は2割超、デンソーは1割超といずれも2桁の増収を記録した。各社好調の背景には自動車メーカーの自動車の生産が回復傾向にあるほか、円安がプラスに影響している。
次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに、直近四半期の業績について詳しく解説する。