先輩後輩の健全な
コミュニケーション
そしてもう一つ、澤井さんが現在につながっていると感じている経験が、不条理な上下関係をなくしたことだ。時代背景もあり、入学時は厳しい上下関係があったと振り返るが、最上級生となってからは後輩との健全な関係を心掛けた。
その結果、先輩後輩間での健全なコミュニケーションを取ることができるようになった。それは、社員を持つようになった現在にもつながっていると明かす。
「決して変な馴れ合いではなく、しっかりとコミュニケーションは取れていたと思います。それに僕らの学年は決して弱くなかったし、みんなちゃんと練習していたので、後輩からもリスペクトされていました。
今の会社でも同様です。叱る時は叱る。でも、普段は茶々も入れられる関係は保つ。風通しを良くしつつも馴れ合いにしない、良い意味での緊張感は大事かなと思いますね」
映画「ザ・エージェント」の影響から
スポーツマネジメントの世界へ
高校卒業後、同志社大学に進学して野球を続けた澤井さん。3年秋にはショートでベストナインを獲得するなど活躍を見せ、卒業後は社会人野球の新日鐵君津野球部(現:新日鉄住金かずさマジック)に入った。4年間の現役生活を送り、その後は社業に専念する道もあったが、スポーツマネジメント会社への就職を選んだ。
「社会人野球時代に所属していた会社が住宅会社でした。社長は、宅地建物取引士の資格を取って不動産について学んだら、京都に帰ってもええんやからと言ってくださったのですが、やめる頃には新しい道に進むことを心に決めていましたね」
スポーツマネジメントの道を志したのは、高校時代に見たある映画がきっかけだった。
それは、トム・クルーズが主演の「ザ・エージェント」。
映画を通して、エージェントの仕事やスーツを着ることへの憧れが沸き上がり、また、もともとスポーツに携わる仕事に就きたいと考えていたことから、スポーツのマネジメントの世界へ踏み出すことを決めた。
「大学時代も、もし野球で無理だったらと思い、いろいろと就職活動の勉強もしていたので嬉しかったですね。ただ、当時はリクナビで就職情報を見ていたのですが、スポーツマネジメントと検索してもヒットするものがあまりなかった時代です。入社できたのは本当にありがたかったです」