
西剛志 著
なぜ、こんな認知バイアスがあるかというと判断がラクになるからです。善悪がはっきりし、讃える仲間、攻撃する仲間と一体になって内集団をつくることができます。
炎上が起きているとき、燃やしている内集団から見た「燃えている対象」はマイナスの偶像。攻撃をしかけ、相手がダメージを受ければ受けるほど、内集団は「自分たちは正しい行ないをしている」と感じ、結束を強めていきます。つまり、「内集団バイアス」の結束を強くするために「偶像バイアス」と「わら人形論法」が役立つのです。
この炎上の心理を利用してきたのが、過去の韓国の政治戦略です。大統領が国民から批判され支持率が低迷したとき、「竹島を奪ったのは日本だ」「慰安婦問題は日本の責任だ」と日本を糾弾。その結果、国民の批判の矛先が大統領ではなく、日本に向けられます。このように敵をつくって炎上させることによって、支持率を操作してきた歴史がありました。
炎上は単なるネット上の出来事に収まらず、現実の社会に大きな影響を与えます。対岸の火事のように眺めていると、あなたにとっても思わぬ被害をもたらすかもしれません。興味本位の書き込み、炎上への加担は控えましょう。