消費者庁が値上げを阻止したら
国民は電力不足に苦しむ
このまま消費者庁が頑張って値上げを阻止したら、どうなるでしょう。電力各社は追加投資をするのが難しくなるはずです。困ったことに日本の電力インフラは老朽化が進んでいるうえに、発電能力が不足しています。
この冬も電力不足が危惧されていましたが、暖冬のおかげでなんとか乗り切ることができました。それも、引退しかけていた火力発電機を現役復帰させてようやく乗り切った形です。
もしも値上げができなければ投資もできず、どんどん日本の電力インフラは古くなってきます。そうなるといつか、悲劇的な電力不足に見舞われる事態も起きかねません。いかに不祥事が続いているとはいえ、電力料金をまったく上げないということは考えにくいのです。
ただ、このまま下方修正された電力料金が認可された場合、政府の補助金が減額される今年10月あたりから、私たち一般家庭が支払う電気代は1年前の価格(これは2年前から見て大きく値上がりした価格でした)を超えることになります。最終的には、年末から来年の年初にかけて値上げ幅通りに電気代が増えることになるのです。
この冬の電気代高騰で「1カ月の電気代が5万円に上がった!」と悲鳴を上げていたお宅の場合は、新料金で2割程度、つまり6万円に上がるわけですから消費者からみればこれはきつい状況でしょう。