しかし最新データ(2021年)によると、犬の飼育頭数が約710万頭に対して、猫は894万頭と、順位が逆転したのです。2005年から15年の歳月で、猫はほぼ横ばいの推移を見せ続けますが、犬は減少の一途をたどっています。

飼育世帯数では犬の勝ちだが
猫は「多頭飼い」が多い

 犬や猫を飼わない理由についてのアンケート調査結果では、犬と猫との共通要素として「集合住宅(マンション)で禁止されている」「長期の外出がしづらい」「十分な世話ができない」「別れがつらい」という理由が挙がりました。両者で違っている点は、犬では「お金がかかる」、猫では「死ぬのがかわいそう」が目立ちました。

 お金の面ですが、医療費などを含む平均支出の月額で比べてみると、犬が約1万4000円なのに対して猫は8500円ですから、犬の方がお金がかかっていることがわかります。「死ぬのがかわいそう」というのは寿命が関係します。平均寿命は犬が14.65歳、猫が15.66歳と、僅差ではありますが、より長く接している猫の方が別れのつらさが強いのかもしれません。

「ペットは飼いたいけど、犬も猫もどちらも好きで悩んでしまう……」という場合、世知辛い話ではありますが、金銭面が与える影響は大きいかもしれません。

 視点を少し変えてみましょう。

 飼育頭数は猫の方が多いと述べましたが、飼育世帯は犬が680万世帯、猫が550万世帯と、犬を飼っている方が多いのです。つまり、猫は「多頭飼い」している世帯が多いということです。さらにいえば、猫の飼育頭数のデータは「家猫」だけが対象です。「外猫」は集計外なので、実際にはもっと多くの猫が飼われていると予想できるのです。

 ちなみに面白いことに犬猫ともに人気の名前ランキングの1位は「むぎ」です。また「ココ」や「マロン」といった名前も犬猫ともに上位にランクインしています。