
外資系の大手プライベートエクイティ(PE)ファンドで最も早い2000年に日本に進出したのが、米カーライルだ。これまで40件以上のPE投資を行い、日本のPE市場を開拓した「パイオニア」を自負する。カーライル在籍23年の山田和広・日本共同代表は、日本市場が今後「黄金期」に入り、財閥系企業を含む業界再編の重要な役割を果たすと予言する。特集『プライベートエクイティ 金融最強エリートの正体』の#6で、山田氏のインタビューをお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
カオナビ、ユーザベースを買収
カーライルの企業価値向上策とは?
──カーライルはカオナビのTOB(株式公開買い付け)を実施しました(3月31日成立)。人材管理サービスの競争環境は厳しさを増していますが、カオナビを上場廃止した後にどう企業価値を向上させるのですか。
優秀な人材をどうリテンション(確保)し、どう成長してもらうかは、どの企業にとっても重要な課題です。
メイン商品である「カオナビ」はかなり普及していますが、それ以外にも人事関連のプロダクトは幾つかある。顧客企業からすれば、さまざまなHR(人的資源)サービスを一括で使える方が便利だし効率もいい。
しかしプロモーション(販売促進)や新サービスを開発するにしてもそれなりの投資をしないといけない。上場しながら新しいプロダクトを作り、同時にプロモーションもしていく。それは結構大変です。
カオナビは成長期で顧客のニーズも広まっています。今、アクセル踏まずにいつ踏むのか。そういう話を経営者とさせていただきました。
──2023年には経済メディア「NewsPicks」などを展開するユーザベースの株式も取得しています。現在どのような改革を行っているのでしょう。
カーライルは現在、カオナビやユーザベース、日本KFCホールディングスなどへ投資実行中だ。山田氏によれば、カーライルは毎年、約300社の企業に接触し、投資先を選定しているという。その投資基準とは何か、そして投資後にどのような企業価値向上策を行うのか。具体的な内容を次ページで明らかにする。