ここ数年、政府は生前贈与の見直しに向けて検討を重ねてきましたが、いよいよ2023年4月から、新しいルールに変わることになりました。そこで今回は税理士法人レガシィの新刊『【改正税法対応版】「生前贈与」そのやり方では損をする』(青春出版社刊)から大改正の3つのポイントについて抜粋し、紹介します。
日本中に激震が走った「令和5年度税制改正の大綱」の狙いとは
2023(令和5)年4月、贈与と相続のルールが65年ぶりに改正されました。数年前から改正が近いと噂されていましたが、いざ詳細が明らかになってみると、関係者の間に激震が走りました。
相続税や贈与税について定めた相続税法は、これまでも細かな修正が行われてきましたが、今回は生前贈与にターゲットを絞ったと見られる大きな変更です。生前贈与を活用した相続税の節税が以前より難しくなり、実質的な相続税の増税といってよいかもしれません。
今回の改正の狙いがどこにあるかを考えてみましょう。
税制改正に先立ち、2022年11月8日に内閣府の「相続税・贈与税に関する専門家会合」が提出した説明資料には、「資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築」を目指すとあります。