ゴールデンウィークは「紙片づけ」の仕組みを作るのに、一番よいタイミング! 新年度が始まり、自分や家族を取り巻く環境が大きく変わると、新しく入ってくる書類や提出すべき書類なども増えますよね。そんな時期には、「あれ、あの書類がない!」「やばい!もう提出期限が過ぎてる!」などと書類に関する事故が起こりがち。「紙」や「書類」の整理はひとつ間違うと、お金や信用に直結するだけに、きちんと管理したいものです。本記事では、「救世主のような本」「リアルに人生変わった」と読者から絶賛の声が寄せられている、片づけアドバイザー・石阪京子さんの、“紙に特化した片づけ本”『人生が変わる 紙片づけ!』の内容をベースに、書類や紙を必要な時に5秒で取り出せるシステムを作るための基本について紹介します。

【GWに最適】必要な紙、いらない紙…、どう片づける?Photo: Adobe Stock

まじめな人ほど「紙」を捨てる罪悪感を持つ

 本書では、日々入ってくる紙の分類法として、

①すぐに捨てる
②確認して捨てる
③データ化して捨てる
④ファイリングする

 の4つを挙げ、その見極め方などもお伝えしています。

 ポストに入ってくる紙、子どもが持ち帰ってくる紙、出先でもらってくる紙‥‥、さまざまな紙がありますが、すべてはこの4つの処理法に分類できます。

 この中で、人によって感覚の差が大きいなと感じるのが、③の「データ化」というステップです

 PCやスマホの中に、データとして残したりネットを利用するという意味ですが、「データ」というものに対するハードルや信頼度が、人によって違うからです。

ちゃんとしている人は「紙で残したい」と思うことも

 情報を扱うお仕事をされている方は、日常的に紙をPDFなどのデータでやり取りすることに慣れているので「データ化」のハードルが低いのですが、そうでない方は「データ化」というとそもそも難しそう、面倒くさそう……と、ハードルが高いように感じる方がいらっしゃいます。

 また、「データ」自体をなんとなく信用しておらず、やっぱり手触りがあって目で見える「紙」という形で残すということに安心を覚える方もいらっしゃいます。

 書類講座を受けられる生徒さんの多くもそのようにおっしゃいます。

「捨てる必要があるのはわかるけど、それでも念のため紙で残しておきたい」
「データ化すると万が一消えたり流出したりするのがこわい」
「捨てるのではなく、やっぱりちゃんと収納しておきたい」

 家の中という自分の管理下で、ちゃんと目に見える形で取っておきたい。そう思われる方が多いです。

「行政や金融機関、学校などから届いた紙を捨てるのは悪いことだ。すべてをファイリングして、きちんと取っておくのが“ちゃんとしている人”だ」と、紙を捨てることに罪悪感を持つ方もいるでしょう。

 30年ぐらい前は会社においても、ファイリングは、とても大事な仕事だったかもしれません。また、私たちが子どもの頃も、お母さんが、テストやプリント、年賀状などをきれいにファイルして取ってくれていたというおうちも少なくありません。

 だけど今、「ちゃんとする」の定義が変わってきているように思います。

まさに今、紙→データの時代への転換点

 ちゃんとしている人は、紙そのものを保管するのではなく、webやデータで管理する時代に変わりつつあるのではないでしょうか。

 銀行も、紙の通帳ではなくてweb通帳を推奨していますし、保険会社も約款と証券をwebにして、社会貢献しようと言っています。また、国も2019年4月に施行された働き方改革の具体策の一つとして、ペーパーレス化を推奨しています。

 さらに、最近はSDGsの一環としても、ペーパーレス化を通して地球の環境を守っていこうという取り組みが世界規模で進んでいます。

 つまり、紙をなるべく使わないようにするペーパーレス化は、いいことなのです。

 紙を捨てることも決して悪ではなく、ペーパーレス化に貢献できるエコな行為なのです。

 そうやって、私たちひとり一人が紙に頼らない生活を築いていけば、今はまだ「紙で欲しがる人が多いから」という理由で送られてくる紙も、少しずつ減っていくのではないでしょうか。

 これまでの常識から「紙を捨てることはいけないこと」と思いこんでいる人も、もうそれに縛られなくていい時代に変わってきているのです。なので紙を捨てることをこわがらなくていいんですよ。

 データ化も難しく考える必要はありません。本書では、スマホの「Googleキープ」というアプリなどを使って、紙をデータ化し整理する方法などもお伝えしています。ゴールデンウィークなどの長いお休みは、これまで紙で管理していたものをデータに移し替えるチャンス!

 是非、参考にして取り組んでみてください。

(本稿は、『人生が変わる 紙片づけ!』の一部を抜粋・編集したものです)