自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

頭のいい上司が「部下を指導する時」絶対に守ることPhoto: Adobe Stock

怒らずに会話で導く

そもそも教育には「怒り」が必要なのか。

私は不要だと思います。

怒らない指導法はたくさんあります。

たとえば、なぜその問題が起きたのか部下と一緒に掘り下げ、理解しながら改善につながるように会話で導くこともできるはずです。

「こういう状況だったからミスが生まれたのか。なるほど。でも、このときはこうしたほうがもっと簡単に対応できたんじゃない?

「いや、今回は対応する余裕がなくて」

「そうだよね。たしかに今回は難しくて、できなかったかもしれない。でも、いま一緒に解決策を見つけられたから、次は同じミスを起こさない自信はある?

「まだないです」

どこが不安?

「ここですかね」

「うん。これは、こうやって解決してみよう。これで大丈夫?

「はい」

「じゃあ、1回目だから許すけど、2回目の同じミスはやめような

コミュニケーションの基礎として、「伝える」ではなく「伝わる」までがゴールだと説明しました。

叱るときも同じです。

目的が何かを見極め、コミュニケーションの球は選んでから投げる。

そして、ちゃんと伝わったかどうか確認する。

これを忘れないでください。

もちろん、ときとして怒ることが必要な場面もあるでしょう

目的達成のためには叱ることが必要なタイプの人もいます。

叱ること自体を否定するわけではありません。

ただし、相手を叱るときであっても、頭ごなしに1から100まですべてを批判してはいけません。

「この部分は改善してほしい。でも、ここからここまでは完璧だった」など「1指摘したら3褒める」くらい、具体的に褒めながら叱ったほうが相手にも伝わります。

(黄皓著『超完璧な伝え方』から一部を抜粋・改変したものです)