×どうすればいいと思いますか? → ○どう変えればいいと思いますか?

 エドモンソンは、もうひとつ、心理的安全性を下げる理由として、「ネガティブだと思われる不安」もあげています。たとえば、改善案を提案したいものの、「他の人への批判になるのでは……」と尻込みし、黙りこんでしまうような不安です。

 そうした不安を払拭するため、リーダーらは、チームメンバーが他者への批判になることを恐れず、改善案を口にしやすい雰囲気をつくる必要があります。そのためのシンプルなフレーズが「どう変えればいいと思いますか?」。「どうすればいいと思いますか?」と尋ねるよりも、メンバーは改善案を口にしやすくなります。

×反対ばかりされても… → ○ぜひ、反対意見を聞かせてくれませんか

 人前で反対意見を述べるには、「邪魔をしていると思われる不安」や「ネガティブだと思われる不安」を乗り越えなければなりません。そのためには、心理的安全性が相当確保されている必要があります。○のように、あえて「反対意見を聞く」という姿勢を見せれば、安心して本音を述べる人が現れ、目からうろこが落ちるような意見が聞けるかもしれません。

×では言いだしっぺの~さん、よろしくお願いします → ○どう役割分担しましょうか?

 メンバーの誰かから提案があったとき、「では、発案者の~さんが担当してください」のようにいうのは、最悪の対応です。仕事や責任をすべて押しつけられるのなら、誰も新しい提案など、しなくなってしまいます。

 誰からの提案であっても、現実に業務化するときには、仕事をメンバーに割り振って、提案者に大きな負担がかからないようにすることが必要です。

この言い方なら、報告しやすい空気に変わる

×どうして、こんなことになったんだ → ○すぐに報告してくれてありがとう

 トラブル発生の報告を受けたとき、×のように声を荒らげると、相手はその後、報告をためらい、報告の遅れが原因で、トラブルが拡大するリスクが高まります。

 ○のように応じると、メンバーは安心して報告できるので、トラブルをすばやく処理できます。

×なぜ、報告しなかったんですか → ○自分だけで解決しようと思わないでほしい

 トラブル発生などに関して、連絡が遅いメンバーに対して、×のようにいっても、意味のある答えは返ってこないでしょう。一方、○のようにいえば、信頼関係が芽生え、心理的安全性を高めるきっかけになります。