インドに進出しゴム製造工場を設立、日本への逆輸入やアフリカ進出も視野

――工業用のゴム製品を製造されているそうですね。

川嶋 主力は自動車部品用のゴムで、売り上げの6割を占めています。サスペンションなどの振動を吸収するゴムやラジエーター性能を高める発泡ゴムが、その一例です。他にも、上水道のゴムパッキンやプリンターの紙送りをするゴムローラー、マスカラのインク量を均一にする容器のゴムパッキンも製造しています。

インドに進出しゴム製造工場を設立、日本への逆輸入やアフリカ進出も視野かわしま・まさやす 1965年生まれ。日本大学法学部卒業後、川島鉄工所(当時)に入社。2008年社長に就任。高崎機械工業協同組合副理事長、高崎商工会議所機械金属部会部会長、社会福祉法人青嵐会理事。

――創業当時からゴム製品を作っていたのですか?

川嶋 いえ、1980年代の後半からです。46年の創業当時は鉄工所をしていました。井戸水のポンプの製造を皮切りに、水圧・油圧ポンプの製造へと発展していきました。しかし、「社内で腰を据えて生産できる仕事も必要だ」と考え、ゴム製品に着目したのです。以前からゴム製造に使うプレス機や成形機の修理もしていたので、参入できると判断しました。

――後発だと思いますが、順調に受注できたのでしょうか?

川嶋 機械の内製や修理も含めて、すべての工程を一貫して自社で行えることが「仕事が迅速で、対処も柔軟だ」と評価され、大手企業を中心に受注できました。全売り上げに占めるゴム製品の割合はどんどん増えていき、2009年にはゴム専業になったわけです。

――順調に成長されてきたのですね。

川嶋 ただ、バブル崩壊後のような苦しい時期もありました。そんなときに支えてくださったのは高崎信用金庫さんです。高崎信金さんには弊社のメインバンクとして創業当初からお世話になっています。融資だけでなく取引先の開拓サポートや助成金の情報提供など、さまざまなところで力になっていただいています。