コロナ禍で経済動向が大きく変わる中、主要企業はどの大学から学生を採用したのか。総合商社、コンサル、金融、メーカー、流通、運輸、情報通信など企業別2022年採用大学ランキングを作成した。今回は、2大証券会社の採用大学ランキングをお届けする。(文/ダイヤモンド・ライフ編集部、データ提供/大学通信)
2大証券会社の就職に
強いのはどの大学?
欧米のインフレ、金利上昇、金融不安などで相場環境が悪化する中、大手証券各社は2023年3月期決算で減益に陥った。そんな証券業界にとって、日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を更新している現状は、心強いだろう。
税制面での優遇を受けられるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の人気が盛り上がりつつあることも、明るい材料だ。
親世代にとって、バブル時代の証券会社の活況ぶりは懐かしいのではなかろうか。バブル崩壊後の金融危機で起きた山一證券の自主廃業は、世間に衝撃を与えた。2000年代以降、個人へと本格的に投資のすそ野が広がる中で、業界は活況を取り戻した。リーマンショックを乗り越え、アベノミクス相場の追い風で規模拡大を続けた。野村や大和などの大手証券グループは年収が高く、今も就活生に安定した人気がある。
ただし、業界を取り巻く変化のスピードも速まっている。近年では、取引の手軽さや手数料の安さなどを背景にネット証券が台頭。競争の激化からM&Aや再編が行われ、業界地図は一昔前と比べて随分変わった。総合証券が足もとを揺るぎないものにするためには、金融商品の売買仲介から顧客の資産運用サポートなどへの本格的な戦略転換が必要だろう。
そんな証券業界を代表する大手2社の2021年の「採用大学」ランキングを見ると、野村證券1位は慶應義塾大学、大和証券グループ(持株会社は大和証券グループ本社)1位は早稲田大学となった。トップ3は、いずれも東大と早慶の卒業生で占められている。
果たして、22年のランキングに変化はあったのだろうか。