松本が激しく怒ったわけ

「最低やな!」松本人志は激怒した…〈3人目のダウンタウン〉が回想する1989年の絆Photo:Vittorio Zunino Celotto/Getty Images

「友だちをつくらない」なんて言ったら、本当に困った時に誰も助けてくれない──そういう反論もあるでしょう。確かにそれは、その通りなんです。

 いろんな経験を積み、大きくなった松本くんは「大阪でずっと暮らしていたい」という思いを越え、1989年にダウンタウンは本格的に東京進出を果たします。

『笑っていいとも!』の月曜レギュラーになるなど瞬時に全国区の人気者になり、やがて『4時ですよ〜だ』を卒業して『ガキの使いやあらへんで!』『ごっつええ感じ』という冠番組を持つトップ芸人になります。

 ここで再び、僕に辞令が出ました。

「ダウンタウンは東京に行かせるが、大﨑は正式な担当マネージャーでもなんでもない。そや、そもそも全然関係ないやろ。大阪に残って新喜劇を担当しろ」

 二人が認められず、仕事もない頃から「こいつらは最高だ」と信じて、一緒にやってきたんです。それなのにやっと光が当たって人気者になったとたん、引き離すような辞令でした。会社には、僕が困った時に助けてくれる人はいなかったということです。

 だけど、味方がいなかったわけじゃありません。