日銀YCC修正の予想「後ずれ」続く
今回も決定会合後に金利低下
日本銀行は6月15、16日に開いた金融政策決定会合でもイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)を含む一切の金融緩和策の修正を見送った。
事前のアナリストへのアンケート(ブルームバーグ)で、政策修正を予想していたのは回答者のうち10%未満だったので想定通りの結果ということにはなるのだが、市場の反応は若干違った。
国債(JGB)市場では、10年債金利が決定会合直前の0.42%から1週間後の23日には0.36%へと6bp(ベーシスポイント)金利が低下した。
決定会合前の市場に、YCCが修正されて長期金利が上昇するかもしれないという期待(予想)が若干ながらも存在していたために、政策修正が見送られたことで金利低下が進んだのだ。
こうした動きは今年1月決定会合以来続いており、市場の政策修正期待が「後ずれ」して日銀会合のたびに金利が低下するような状況は今後もまだ続く可能性がある。
一方では米国では「リセッション(景気後退)」入りの予想の後ずれが続いている。日米の2つの「逃げ水現象」は全く異なるものだが、因果関係がないわけではない。