6月決定会合も「緩和維持」だが
早ければ7月、異次元緩和修正の可能性
日本銀行は植田和男新総裁の下で2回目となる金融政策決定会合を6月15・16日と開き、前回4月に続き「緩和維持」を決めた。
過去25年間の緩和策のレビューを併せて行うなど、植田日銀は慎重なスタートだ。
だが消費者物価は2%物価安定目標を超える状況が1年以上、続く。決定会合後の会見でも植田総裁は、企業の価格や賃金の設定行動に変化の兆しがあるとして、物価上昇の基調が強まっている可能性にも言及した。
日銀が政策変更に慎重なのは、物価の面からというより、欧米の利上げや中国経済の回復の遅れなどによる世界経済減速の経済・金融情勢へ影響が読めないからだろう。
すでに4月決定会合で金利引き上げの上ぶたとなっていたフォワードガイダンスを外しており、早ければ、7月の展望レポートで物価目標達成を“宣言”、緩和を維持したまま異次元緩和の枠組みの修正に踏み出す可能性がある。