【具体的なお悩み】
大学卒業後はサラリーマン人生を歩んできましたが、管理職の重責のせいかメンタル不調に陥り、医師から「休職すべきだ」と診断されています。
現在はなんとか仕事を続けているのですが、もし休職したら「傷病手当金」(年間300万円程度)を受給し、その範囲内で生活しようと考えています。
勤務先は60歳で定年退職しなければならず、休職を経て復帰したとしても、そこから働ける期間が短いのも悩みどころです。そのため、2年ほど休職してから56歳ごろに会社を辞めることも視野に入れています。
早期退職後の数年間はパート・アルバイト(年収は手取り40万円程度)として少しだけ働き、60歳で仕事を引退して公的年金の受給に切り替えるつもりです。
……と、さまざまなプランを考えてはいるのですが、まだ学生の子どもを抱えていることもあり、現実的には休職に踏み切れていません。
資産はそれなりにあるのですが、私が「休職→退職→パート」という形で働いても、子どもの学費などを支払いながら生活していけるでしょうか。また、老後の生活は大丈夫でしょうか。
このまま仕事を続けると
体調は悪化しかねない
早速、家計収支を試算しながらFさんの相談に回答していきますが、相談文には公的年金の受給額や退職金の有無、金額などの記載がありません。
末っ子(三男)の進学予定なども分かりかねますので、学費については推測を交えながら回答することをご承知おきください。今回は便宜上、三男は長男と同じく大学に進む前提で試算します。
Fさんは休職を躊躇(ちゅうちょ)しているようですが、筆者はFさんのようなご相談を数多く受けています。その経験から述べると、ずるずると仕事を続けた場合、症状がさらに悪化するケースが多いように感じられます。
すでに医師から休職を勧められている状況下で、無理に働き続けて健康状態が悪くなってしまうと、Fさん自身の回復に時間がかかる可能性が高まります。Fさんをサポートするご家族への負担も増えるかもしれません。
仕事も家庭円満も「健康であってこそ!」ですので、筆者もできる限り早く静養することをお勧めします。
管理職という立場なので、すぐに会社を休職するのは難しいかもしれませんが、一日でも早く状況が変わることを願います。今回の試算では、筆者の経験則に基づき、Fさんがすぐ会社を休職したと仮定して家計収支を試算します。