【総フォロワー数25万人!】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。
「なんで」かを考えるべきは誰?
食事中によく食べ物をこぼす子がいました。
親御さんは「なんでこぼすの!」とよく叱っていたのですが、あるとき「本当になんでこの子はこぼすのか?」と冷静にじっくり観察してみたそうです。
すると、食器の縁の形と椅子の高さに問題があることがわかりました。
それらを改善したら、こぼす回数も量も劇的に減ったそうです。
その親御さんは、「『なんで』と子どもを叱っていましたが、本当は『なんで』は親が考えることだったんですね。今までろくに子どもの様子を観察したこともなく、ただ叱るだけでした」と言っていました。
本当の原因、具体的な改善策が見つけられる
私はその話を聞いて「なるほど」と思いました。
そもそも、子どもに「なんで」と聞いても、本人にはわからないことがほとんどだと思います。
たとえば、「なんで片づけないの」「なんで勉強しないの」「この前教えたのになんでわからないの」「なんで忘れ物するの」などと聞かれても、子どもに本当の原因がわかるはずがありません。
それに、もしわかったとして、「だって○○なんだもん」などと答えたらどうでしょう?
親から「言い訳するな」などと叱られてしまうかもしれません。
もちろん、子どもの年齢や発達段階にもよりますが、「なんで」と問い詰める前に、大人が冷静に「なんでだろう」と考えたり、子どもをじっくり観察したりすることが必要だと思います。
すると本当の原因が見えてきますし、具体的な改善策も見つけられるのだと思います。
◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。(次回へ続く)