ライセンス展開を進めたことで
新たな「出会いの場」が増えた
ライセンス商品の展開は進化し続けている。ファミマのグミに続き、7月7日、コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンから「地球の歩き方スナック菓子 海老のビスク風味ポテトスティック」が限定発売された(一部取り扱いのない店舗あり)。
「こちらはフランス料理をイメージして作りました。『地球の歩き方』では『旅の図鑑シリーズ』というのも出していて、そのうちの一冊である『世界のグルメ図鑑』がコラボ食品を開発するきっかけにもなっています」
「他にもこの夏、レトルトカレーの発売も予定しています。サイズ感的にもちょうどいいので、書店でガイドブックの『地球の歩き方』と一緒に並べたら面白そうだな、といろいろ考えているところです」
「地球の歩き方」は40年以上続く、歴史と伝統のあるシリーズだ。築き上げたブランドイメージを損ねないため、コラボには慎重になりそうな印象を抱くが、これほどまでに多種多様な企業とタッグを組む理由とは?
「先ほど話した通り、われわれはすでに一度死んだ身です。いわば背水の陣ですから、もうやるしかない。それに、ライセンス展開で消費者との接点がすごく増えたと感じています。以前は書店以外で『地球の歩き方』を目にする場所はありませんでしたが、今では、カプセルトイ売り場、ゲームセンター、コンビニなど、いろんな場所に『地球の歩き方』のコラボ商品が並んでいるのです。これは、ブランドの強化に一役買ったのではないでしょうか」
「実は今、中高生向けに低価格帯の文具や雑貨とのコラボも進めているところです。若い世代はガイドブックの『地球の歩き方』を知りません。コラボ商品をきっかけに、『地球の歩き方って旅行本なの?』と知ってもらう、そんな展開もアリかな、と思っています」
本や書店という既存の枠を飛び出したことで、老若男女を問わず多くの消費者との出会いが増えた「地球の歩き方」。今後はどんな所へ歩いていこうと考えているのか。半田氏がまとめた「ライセンス展開希望商品」という名の資料を見せてもらった。
「『旅』はもちろん、『衣』『食』『住』『遊』、あらゆる分野をライセンス展開で網羅していきたいです。一例ですが、湿布薬、日焼け止め、入浴剤、スーツケース、ばんそうこう……旅行でも日常でも使えるものが理想ですかね。ここに書いてあるアイテムを、1つでも多くコラボ商品化するのが、私の目標です」
ガイドブックという“王道”に加え、ライセンス事業という“新たな道”も開拓した「地球の歩き方」は、これからも多くの人の元へ歩いていくだろう。