青い海でバカンス中の2人写真はイメージです Photo:PIXTA

フランスは労働法で年間最短5週間の有給休暇が決められ、年間の平均取得日数はなんと33日。その大半は7月・8月の2カ月間に集中し、入れ替わり立ち替わり、数週間の長期休暇を消化します。
日本でも2019年から、働く人がまとまった日数の休暇を取るべし、との方向で制度改正されています。ですが実際の運用は、まだ変化の途上。より多くの人が、無理なく休めるようにするにはどうしたら良いのか――。2週間連続の休暇取得が可能な日本企業を取材しました。

※本稿は、高崎順子『休暇のマネジメント 28連休を実現するための仕組みと働き方』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

日本でもすでにある「みんなが休める」仕組みと運用

 2週間連続の年次休暇取得を可能にしている職場は、今の日本にあるのでしょうか。あるとしたらその運用を是非取り上げたい、でもどこを、どう探したら良いのだろう……?

 思いあぐねていた2022年の終わり頃、探しものはスマホ画面の上で突然、見つかりました。サッカーのカタール・ワールドカップの日本代表戦で、「親愛なるボス、2週間の休暇をありがとう!」との英文メッセージと日本の国旗を掲げた方の姿を、国際サッカー連盟(FIFA)のSNS公式アカウントがシェアしたのです。

 日本のメディアの方々も、おお!?と思われたのでしょう、ご本人やお勤め先のNTT東日本神奈川事業部の方のコメントが、すぐに報道されました。かくいう私も期待に胸を膨らませ、年明けにこちらの会社に取材を打診。すると企画部広報担当の水谷次郎さんが、快くお話を聞かせてくださいました。