休暇中に外出や余暇を楽しもうという考え
以下、一問一答形式で再現しますね。

高崎順子(以下、高崎。高の文字は正式にはしごだか) サッカー・ワールドカップの日本代表戦をきっかけに、御社の休暇制度が話題になりました。実際には、どのように運用されているのでしょう。

水谷次郎(以下、水谷) 当社では多種多様な休暇制度があり、年次休暇は「ポジティブ・オフ」、休暇中に外出や余暇を楽しもうという考えで運用しています。夏でしたら毎年6月1日から9月30日を「夏休み期間」と設定して、その間に、部署の全員が最短でも1週間連続、できれば2週間連続で休むことを推奨・実践しています。

 年次休暇とは別に夏季休暇等が全員に5日間与えられていて、それに年間20日間の年次休暇から、各人が希望する日数を組み合わせて取得します。

 この夏季休暇等は、事前に部署の全員が休暇取得計画を提出することになっており、上長が業務全体を見て業務の繁閑等を勘案し、必要な調整をした上で部下の休暇取得日を決定します。

高崎 取得できる期間と、希望を取りまとめる日程が決められているのですね。

水谷 はい。休暇の申請と承認は勤務管理の社内オンラインシステムで行います。社員は自分のページのみ、上長は部下全員分を閲覧できるものです。管理職にももちろん年次休暇はありますので、課長の休みは部長が、部長の休みは事業部長がと、各上役が管理します。ゴールデンウィークや年末年始など長い休暇もこの形式で全員分の休みを上長がまとめて管理していますが、短い休暇の場合は希望がある都度ごと、直前の申請で取得できます。

高崎 最短でも1週間連続、できれば2週間連続というと、まとまった期間に欠員が出るということですね。その間の業務はどうなるのでしょう。繁忙期を避ける工夫や、追加の人員補充などはされていますか。

水谷 基本的には、同じ業務課やプロジェクトチームの同僚・上長と分担するやり方です。そのために必要な引き継ぎをしっかりやっていく前提はありますね。業務量と人員の管理はケースバイケースではありますが、夏休みの2週間程度であれば、先ほどお話しした業務分担の範囲で対応できているのが実情です。

 通信インフラ事業ですと、業界的には年度終わり・初めの3~4月が新生活の引っ越しに伴う繁忙期と言われます。が、当事業部はビジネスユーザーをお客様にしているので、世間的な繁忙期の影響は薄くなっています。

 緊急対応の故障修理チームはまた事情が変わりますが、全社的な年次休暇の取得率は90.5%(2021年度)です。

高崎 今の日本の平均取得率が56%なので、かなり高い数字ですね。大半の社員が取得できている、公平な状況が可能になっている理由として、思い当たるところはありますか?