処理水放出への反対運動の
「出口戦略」に悩む民主党

 民主党は4日、IAEAの最終報告書に対し、「IAEAの独自検証ではない。日本政府と東京電力の見解と想像だけを書き写した空っぽの報告書」「IAEAは福島の核廃水の安全性検証責任を放棄した」と非難した。これは原子力分野の最高権威であるIAEAを誹謗(ひぼう)し、国際感覚から外れた見解である。

 さらに魏聖坤(ウィ・ソンゴン)議員は「多核種除去設備(ALPS)に対する性能検証が全くなされていない。IAEAは汚染水海洋放出の正当性確保、最適な代案の有無などを検討せず、日本政府に責任を転嫁した。放出施設の故障による非計画的流出などに対する検討さえなかった」と述べ、処理水放出阻止闘争を継続することを表明した。魏聖坤議員ら10人は10~12日に日本に行って直接抗議デモを行う予定だ。

 民主党は5日、緊急議員総会を開催して今後の戦略について議論する。一部ではこれ以上「使えるカード」がないという点から、出口戦略に対する悩みも出ているという指摘もある。

 国民の力は、民主党のコメントに対し「総選挙に利用するという悪意のある扇動政治」だと非難した。姜ミン局(カン・ミングク)首席報道官は「11カ国の原子力分野の最高の専門家からなるIAEAタスクフォースがほぼ2年かけて作業した結果だけに、韓国もやはり国際社会の中枢国家として結果を謙虚に受け入れなければならない」「そろそろ怪談政治を中断すべきだ」と主張した。