日本で一大ブームとなった「1on1」。導入しているというと聞こえはいいが、現場では「意味がない」「苦痛だ」と、上司・部下両方のストレスになっているのも事実だ。実は、うまくいかない1on1には「上司の力量不足」以外の理由がある。対処法とともに解説しよう。(株式会社コーチェット代表取締役 櫻本真理)
1on1が不毛なのは
「上司のせい」だけではない!
「1on1」とGoogleで検索すると、予測検索で「やめてほしい」「意味ない」「話すことがない」「苦痛」などの言葉が並ぶ。これは上司と部下、どちらの言葉なのだろうか?
アンケートによれば、正解は「どちらも」だ。ただし、部下の方がやや多い。
部下にしてみれば力関係のある上司に100%の本音など言えるはずがないのに、「話したいことはない?」などと聞かれて適当にはぐらかす時間に「不毛さ」を感じている。
一方の上司からすれば、ただでさえ忙しいのに、なかなか口を開いてくれない部下との1on1に時間を割くことに「生産性の低さ」を感じている。
うまくいかない1on1は、上司にとっても部下にとってもストレスになっているのである。
「1on1がうまくいっていない」ことを察知すれば、会社としては「上司に1on1トレーニングを提供しなければ」と考えるだろう。これは、半分正しくて、半分間違っている。
なぜならば、「1on1がうまくいかない」のは、上司だけの責任ではないからだ。