4万人以上のダイエットを成功させ、自身もウエスト58cmを30年間キープする健康運動指導士・植森美緒の新刊「生きてるだけで、自然とやせる! やせる日常動作大図鑑」。食事制限&運動なしで、部分やせできてリバウンドしないという夢のような方法は、日常動作をちょっと変えるだけという簡単なことだった! 本連載では、「生きてるだけで、自然とやせる!」さまざまな日常動作ややせるコツを紹介していきます。

【どっちがやせる?】自己流の人VSマニュアルに忠実な人Photo: Adobe Stock

うまくいくか、いかないかの分かれ道

意外かもしれませんが、やせないのはマニュアルに忠実な人です。
たとえば「有酸素運動は20分以上行わないと脂肪燃焼に効果がない」と聞いて20分以上行うものの、結果が出る前に続けられずに挫折してしまう。また、やせるまではがんばるものの、やせると達成感でやめてしまう。
このように、マニュアル通りに行動しようとするとゼロか100かの両極端な行動パターンになりやすいのです。

そもそもの話、なんでも言われたとおりにできるくらいなら、誰もやせることで苦労しないと思いませんか?

それに、正しいとされていたことがじつは間違いだったとひっくり返ることも、とてもよくあります。現在の常識は、未来の非常識なのです。何かを忠実に行うことにはリスクさえあります。

よいと言われても、自分にはどうなのかという視点を持てる人はやせる人。
うまくいかないときにも自分なりに軌道修正や工夫ができるかどうか。
ここが、やせるか? やせないか? の分かれ道です。

私自身、マニュアルに縛られ、自分にはとうてい続けられないダイエットに挑戦して10年間も失敗をくり返してしまいました。「どうしてこんなに根性がないんだろう……」と、自己嫌悪の連続の青春時代でした。

日常動作で筋肉を上手に鍛えることを考えるようになったきっかけは、きつい腹筋運動よりもお腹を凹ませておくほうが、お腹を細くする効果が格段に大きいと気がついてからです。
ちなみに「部分やせ」については学術的には不可能とされてきましたが、可能であることを示す論文も発表されています。科学の進歩とデータの蓄積でこれまでの常識が覆るのはダイエットに限らず、どんな分野でも起きています。

「やせているのに下腹だけぽっこりしている」など、これまで運動で思うような成果が出なかった人にも、効果的な日常動作をぜひ知っていただきたいと思います。
マニュアルや常識に縛られずに、あくまで自分が無理なく行えて効果的と思うことを続けるのは、まさに「SDGs」=持続可能な体型づくり。
一過性でなく生涯続けられる日常動作は、運動が続かない人には、とてもとてもおすすめなのです。

*本記事は『生きてるだけで、自然とやせる! やせる日常動作大図鑑』から、抜粋・編集して構成したものです。
*著者/植森美緒(健康運動指導士) 監修/金岡恒治(早稲田大学スポーツ科学学術院教授・スポーツドクター)