「このまま」今の仕事を続けても大丈夫なのか? あるいは「副業」をしたほうがいいのか? それとも「起業」か、「転職」をすべきなのか? このように感じたとしたら、それは皆さんの考えが正しい。なぜなら、今感じているお金に対する不安は、現実のものとして近づいているからです。無収入となる65歳から70歳、もしくは75歳までの空白期間を、自己責任で穴埋めしなければならなくなる未来が、相次ぐ法改正でほぼ確定しました。
そんな人生最大の危機がいずれ訪れますが、解決策が1つだけあります。それはいますぐ、「稼ぎ口」を2つにすること。稼ぎ口を2つにすれば、年収が増えて、節税もでき、お金が貯まるからです。『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』では、余すことなく珠玉のメソッドを公開しています。受講者は6000人に及び、その9割が成功。さぁ、新しい働き方を手に入れましょう!
平均貯蓄額を額面通りに見てはいけない
毎年、初夏をすぎると家計調査報告が政府機関から公表されて、それにちなんだ記事がネット上を賑わせます。
今回も1世帯平均21万円増の1901万円、1位富山県、47位沖縄県などの公表がありました。でも、次のとおりツッコミどころ満載です。
《ツッコミどころの一例》
- 日経平均株価が上昇しているのだから、増えて当然では?
- 物価高のインフレ下なので、実質的には減っているのでは?
- 貯蓄1.1%増<負債1.6%増なので、むしろ悪化では?
- 価格の大きい不動産を無視して比較しても無意味では?
- 平均値よりも中央値のほうが実態を反映しているのでは?
平均貯蓄額最下位の沖縄だが……
極め付きは都道府県別のランキングで、比較する意味がわかりません。たとえば、最下位常連の沖縄県は、公示地価都道府県ランキング(2023年)では全国11位の47万2799円/坪で、千葉県(45万4690円/坪)より上です。貯蓄残高1位の富山県の地価16万3684円/坪と比べれば、約3倍です。
一方で、消費者物価地域差指数(総合)を見ると、沖縄は全国平均を大幅に下回っています。冬も軽装で過ごせて、北国のような防寒装備も暖房設備も燃料も不要なので、わかる気がします。それでいて最高気温は意外と上がらず、最高気温の平均値は中部・近畿並です。いろいろな要素があるので、貯蓄の平均額を単純比較すること自体に、無理があるような気がしてなりません。
老後不安がある限り、いくら貯めてもキリがない
平均貯蓄額の増減を前年比較したり、都道府県比較すること自体には、あまり意味がありません。それなのになぜ、毎年注目されるのか? それは誰もが、老後に対して強い不安を抱いているからです。
しかし、どんなにお金を貯めたところで、老後への不安は永遠に消え去りません。ヒトとは、あればあるほど、もっと欲しくなる生き物だからです。
1世帯あたりの資産が最も多い国ランキングによると、日本は、アメリカ、スイス、ベルギーに次ぐ世界第4位にランクインされていますが、それでも日本人は不安なのです。
貯蓄よりも、稼ぎ続けることが大切
では私たちは、いったいどうすればいいのか?
もちろん、解決策があります。それは、自分自身が打ち出の小槌になること、つまり「稼ぐ力」を身につけることです。極論を言えば、たとえ貯蓄がわずかだとしても、毎月確実に稼ぐ力を身につけられれば何とかなるということです。
私自身も、25年以上銀行員を続けたあとに独立してみて、貯蓄よりも稼ぎのほうが圧倒的に安心感があることに気づきました。
ここで注意してほしいのは、稼ぐ力を身につけるとは、職場で好成績をあげることでも、出世することでもないということです。前提になっている「雇われる働き方」自体が、稼ぐ力とは別次元だからです。
どれだけ好成績を叩き出しても、稼ぐ力(収益力)があがるのは勤め先の会社であって、自分自身ではありません。それゆえ、定年退職などで雇い止めになった途端に、稼ぎが一気に減ってしまいます。
結局は、貯蓄に頼っても不安は消えないし、勤め先に頼っても老後の保証はない。最後まで安心して頼れるのは、自分自身の稼ぐ力だけなのです。
稼ぐ力を身につけること自体は、決して難しいことではありません。「稼げるライフワーク」さえ見つけられれば、ベイビーステップで少しずつ稼ぐ力を身につけられます。自転車に乗るスキルと同じで、一度身につけた稼ぐ力は、永遠になくなりません。退職後もずっと頼りにできるわけです。
まずは足元から、「稼げるライフワーク」探しを始めてみてはいかがでしょうか。
**本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。