経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
進むインフレ基調で
不動産購入で資産を守る
【前回】からの続き バブル崩壊後、日本はデフレが続いていましたが、このところインフレが進みつつありますから、資産を守るために不動産を購入する富裕層が増えるかもしれません。
私は20代の国税職員時代に埼玉県内のマンションを買い、その後2020年に同じ埼玉県内の分譲戸建て住宅に買い換えました。
都内に引っ越すことも考えたのですが、地元の学校に通っている息子たちのことを考慮して、学区が変わらない近場で買い換えたわけです。
住宅価格が翌年には1.5倍以上に
新居の購入額は2500万円ほどでしたが、立地や4LDKの広さにしては手頃な価格で購入できたと思います。
驚いたのは、同じ区画にある分譲戸建て住宅が、私が入居した翌年に約4000万円で売りに出されていたことです。
木材価格が高騰した「ウッドショック」や新築工事の遅れなどによる住宅の供給不足が要因だったと考えられますが、昨今のインフレもあって2023年に入っても、私が住むエリアの住宅価格は高くなっています。
インフレに強い資産
結果論に過ぎませんが、私が家を買った2020年は長く続いていたデフレからインフレに転換する過渡期でした。
不動産はインフレに強い資産といわれていますから、早めに購入を決断してよかったと思わされました。
規模はまったく違いますが、不動産を保有して資産を強固にする富裕層の気持ちが少しわかったような気がしました。【次回に続く】
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。