生成系AI登場は「第三次産業革命」
知的労働が影響を受ける
生成系AIが経済活動を大きく変えようとしている。これは、「第三次産業革命」といってよい事態だ。
第一次産業革命は18世紀に起こった蒸気機関の登場であり、第二次産業革命は19世紀における電気の利用だ。第三次産業革命は、それより大きい変化だという見方もある。
本コラム「生成系AIがもたらす格差拡大、『シンギュラリティ時代』の政府の責任」(2023年7月20付)で指摘したように、これは「シンギュラリティ」(歴史上の特異点)だという見方であり、実際にそういってもよいほどの大きな変化だ。
第一次産業革命も第二次産業革命も、人間の働き方に大きな影響を与えた。それまで人間が行ってきたことを機械が行うという変化が大規模に進展した。
生成系AIがもたらす変化は、それとはかなり違う。生成系AIは文章を書く作業を効率化するので、知的労働に影響を与える。影響を受けるのが単純労働ではなく、知的労働であるという点が、これまでとの大きな違いだ。