名古屋駅前を中心に林立するタワーマンション。「億ション」も登場し注目を集めていたが、今ではかつてほどの勢いはないようだ。特集『名古屋沸騰中 産業・教育・スポーツ』(全11回)の#8では、住宅の専門家が、値上がり率の高いマンションをランキング形式で紹介するとともに、東海3県の「お買い得マンション・ベスト31」を公開する。(住宅評論家 櫻井幸雄)
東海3県「マンション値上がり率」ランキング
1位は意外にも郊外のマンション
名古屋市中村区名駅3丁目が全国で最も地価上昇率の高い場所となったのは、2015年の基準地価においてだ。その後、17年の基準地価では都道府県庁所在地別の最高価格で名古屋市が大阪市を抜き、前年の全国3位から2位に浮上した。
それ以降、名古屋はマンション価格が大きく上昇している場所として認識されるようになった。地価もマンション価格も高騰し続けた。その背景に、リニア中央新幹線に対する期待があったことは間違いない。
名古屋駅(名駅)がある名古屋市中村区は、全国的に「注目の場所」となった。その結果、名駅周辺から繁華街・栄に至る帯状エリアでは、50平方メートル程度の1LDKでも5000万円以上という価格水準になってしまった。そこまで高くなると、この先の伸びしろはないという見方が生じてしまう。
例えば、15~16年に名古屋市中心部で分譲が行われた「グランドメゾン御園座タワー」は70平方メートル台の3LDKで1億円以上となり、中古での値上がりが期待できないという声が大勢を占めた。
実際には、近年、どのような価格推移をたどったのか。愛知・岐阜・三重3県の中古マンションの騰落率を徹底的に調査した。次ページでは、それぞれの県別に「値上がり率ランキング」を明らかにしている。
併せて、住宅のプロが厳選した東海3県「お買い得マンション・ベスト31」を大公開する。