タワマンが問題視されるのは、時価と相続税評価額に著しい乖離があるからだ。では、実際のところ、その差はどれくらいあるのか。特集『タワマン節税 緊急事態』(全9回)の#2では、豊洲や武蔵小杉、梅田など主要5エリアで、実在するタワマンを個別に選定し、そのリアルな差を初試算。さらに、国税庁新ルールによる改正の影響を分析してみたところ、驚くべき結果が明らかになった。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
タワマンの相続税評価はどれだけ割安?
国税庁新ルールの影響を10物件で独自試算
これまで流行してきた「タワマン節税」の背景にあったのが、マンションの相続税評価額と市場価格の乖離だ。
本特集の#1『タワマン節税つぶしの全貌判明!お得な対策は年内の「駆け込みマンション贈与」?』でも触れた通り、国税庁の資料によるとマンションの市場価格は平均で評価額の2.34倍にもなり、一戸建ての1.66倍との差は明らかだ。この“格差”に、今回国税庁のメスが入ったわけだ。
しかし、物件ごとの“スペック”が千差万別な中、平均といわれてもピンとこない。実際のところタワマンの乖離率はどの程度あるものなのか。
今回、ダイヤモンド編集部では、豊洲、武蔵小杉、品川、六本木、梅田の主要5エリアを対象に、実在するタワマンの個別物件10戸を用いて、その評価額の実態を独自に算出してみた。
さらに、6月末に公開された新評価改正案から、評価改正後の評価額も算出。すると、多くの物件で評価額が2倍近く、数千万円単位で跳ね上がるなど、驚くべき結果が明らかとなった。
早速、その結果を次ページで紹介しよう。