【総フォロワー数25万人!】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

【実例】子どもの「今やろうと思ってたのに現象」を防ぐ言葉がけPhoto: Adobe Stock

否定的な言葉を聞くと、心の窓が閉まってしまう

「なんで宿題やらないの」
「片づけなきゃダメでしょ」
「グズグズしないで」
子どもに対して、親御さんはついこうした言葉を使いがちだと思います。

でも、薄々気づいていらっしゃるとは思いますが、こういう言い方で子どもをやる気にさせることはできませんよね。
なぜかというと、子どもは否定的な言い方をされると「自分が責められた」と感じて、心の窓が閉まってしまいます。
ですから、子どもが聞く気になるには、責める要素を入れずに伝える技術が必要です。

責めずに伝える言葉には、次のような10種類の型があります。

①【先ほめ型】
「片づけ上手だね」
「がんばってるね」
「この字、形がいいね」
「○○してくれてありがとう」

②【肯定型】
「○○するといいよ」
「先に○○しておくとあとで楽だよ」

③【単純型】
「○○しよう」
「さあ、○○するよ」

④【アイメッセージ】
「○○だとうれしい」
「○○してくれると助かる」

⑤【ユーモア型】
「2倍速で早送りだー」
「起きないとくすぐるよ」

⑥【数字型】
「あと5分で出発」
「9時27分に出るよ」
「3分でやっちゃおう」
「ゴミを10こ拾おう」

⑦【ヘルプ型】
「手伝ってあげるから半分の半分だけやってみよう」
「一緒に○○しよう」
「答え教えてあげるからやってみよう」

⑧【ハードル下げ型】
「少しだけやってみよう」
「1分だけやろうか」
「1問だけやろう」
「準備だけしておこう」

⑨【競争型】
「どっちが早いか競争。用意、ドン」
「パパと着替えっこ競争」
「どっちが上手か、片づけごっこ」

⑩【お願い型】
「○○してください。お願いします」

いかがでしょうか。一字一句覚えておく必要はありません。大事なポイントだけ頭に入れておけば大丈夫です。それは「責めずに伝える」ということ。
これさえ忘れずに意識していれば、その場に応じて臨機応変に言葉を選べるようになると思います。

◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。(次回へ続く)