一口に警備員といっても、職種によって仕事内容は大きく異なる。施設警備や交通誘導に携わる警備員から、政財界の要人を警護するボディーガードまで幅広い。後者は武道に精通したエリートだけが就職できる狭き門で、他の職種よりも高給取りである。一方、エリートとはいえない施設警備員と交通誘導員が“不仲”なこともある。知られざる警備業界の「給料と序列」を、元警備員の筆者が解説する。(ブックライター/元高層ビルの警備員 堀田孝之)
※本記事は2022年6月14日配信記事を再編集したものです。
警備員にある4つのタイプ、
実は全く違う仕事
「警備員はかっこいい!」というイメージを持つ人がごくまれにいます。おそらく、クリント・イーストウッドやケビン・コスナーなどの著名な外国人俳優が「かっこいいボディーガード」を映画で演じており、それらを見て「警備員=ボディーガード」と認識しているからでしょう。
日本でも、古くは長渕剛がボディーガードをドラマで演じ、最近では木村拓哉も演じていました。ですが、ボディーガードはそう簡単になれるものではありません。普通の警備員からすると、異世界の住人のような存在です。
というのも、日本の警備業界の職種は、仕事内容に応じて「1号警備」~「4号警備」の4種に分かれており、それぞれ全く別の仕事をしています。ボディーガード(身辺警備)は4号警備なのですが、就職の難易度や給料は警備業界でもかなり高いです。
その実態を知ってもらうために、1号~4号警備の仕事内容を順番に解説していきます。
・「1号~4号警備」の仕事内容と業界序列
・警備の種類による「給料格差」
・セコムとALSOKの警備員はエリートなのか?