意思決定がうまい人が破らない「セルフメンテナンス」の極意とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

意思決定がうまい人は
「スターの時間」を無駄にしない

 知的労働者の中でも経営者の仕事は、意思決定が多くを占めています。中小企業の経営者の場合は営業のような執行の仕事も担っていることも多いのですが、それでも最も重要な仕事はやはり「何をやるか、やめるか」の意思決定です。

 私は正しい意思決定を行うために、「スターの時間」を有効活用しています。「スターの時間」とは、私が考える1日のうちで最も頭がさえている時間帯のこと。

「スターの時間」は人により異なると思いますが、私は起床から朝9時、10時くらいまでの時間帯です。その時間帯を自分にしかできない意思決定や執筆に充て、その後は主に人に会ったり、作業をしたりするための時間に充てています。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 作業は少しくらい疲れていても間違いなくやることができます。例えば昼食後のちょっと眠い時間帯に机の上や郵便物を片づけたり、メールを何本か書くなどの作業を済ませたり、「スターの時間」にやるべきことの下準備に充てたりしています。

 どんな時間帯であっても仕事のスピードを上げる努力は大切ですが、それにも限界があるので、「スターの時間」を有効活用することで、昼間なら1時間かかる仕事も半分の時間で終わらせることができるし、成果物の質もより高めることができます。

 逆に疲れているとき、例えば激務を終えた夜の時間帯に意思決定をすると判断を誤る確率が上がってしまいます。私は経営コンサルタントとしてお客さま(経営者)の意思決定を手伝うことが仕事ですが、その場合、夜に意思決定をすることはまずありません。

 時差がある海外案件の場合、(現地が稼働している)夜のうちに意思決定をしなければならないことがあります。また、国内案件でも夜の時間帯に判断を迫られることがあります。それでも可能であれば、夜にした意思決定の内容を「スターの時間」である翌朝にもう一度検討して、答えが同じなら正しいと判断します。