短期的には眼精疲労軽減
のための利点がない可能性

 Downie氏は、「コンピューターの使用に伴う眼精疲労を軽減するためにブルーライトカット眼鏡を使用しても、使用しなかった場合に比べて、短期的には利点がない可能性のあることが分かった。また、ブルーライトカット眼鏡が見え方の質や睡眠関連の転帰に影響を及ぼすかどうかも不明であり、長期的に網膜の健康に影響を及ぼし得るのかどうかについても結論は出なかった」と述べる。その上で同氏は、「ブルーライトカット眼鏡の購入を検討する際には、これらの知見を考慮すべきだ」と付け加えている。

 Downie氏はまた、「過去数年間、眼科診療におけるブルーライトカット眼鏡のメリットについて、多くの議論が行われてきた。本研究では、コクランの提示する方法論の基準に従ってシステマティックレビューを実施し、調査結果の頑健性を確認した。それでも、得られた知見の確実性は、本研究で利用することができたエビデンスの質との関連で解釈する必要がある。また、対象研究の追跡期間の短さは、長期的なアウトカムの検討に影響を及ぼした」と述べ、結果を慎重に解釈すべきことを指摘している。

 研究論文の筆頭著者である、同大学のSumeer Singh氏は、「ブルーライトカット眼鏡が視力のパフォーマンスや睡眠の質、目の健康に及ぼす潜在的影響を明確に判断するためには、もっと多様な集団をより長い期間追跡した、質の高い大規模臨床試験が必要だ」と述べている。(HealthDay News 2023年8月18日)

https://consumer.healthday.com/vision-care-2663900821.html

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