銀行の看板写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍で中小企業の資金繰りを支えた実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済開始が、2023年7月から2024年4月にピークを迎える。だが、ひと足早く企業倒産は増加し、2022年4月から17カ月連続で前年同月を上回った。月を経るごとに増勢を強め、8月の増加率は前年同月比54.4%増とコロナ下で最大を記録した。一方、ここにきて金融機関も再編などの動きが慌ただしくなっている。青森県では青森銀行とみちのく銀行が統合し2025年1月、「青森みちのく銀行」が誕生する。愛知県では愛知銀行と中京銀行の「あいち銀行」、長野県では八十二銀行が子会社化した長野銀行との合併を予定する。金融競争が言われて久しいが、予定やグループを含めた1県1行は全国10県に広がっている。2023年「企業のメインバンク調査」から、都道府県別のメインバンクトップを対象に東京商工リサーチが分析した。(東京商工リサーチ情報部 後藤賢治)

大都市はメガバンク
地方は地銀が圧倒

 東京商工リサーチは8月、企業データベースから全国156万8602社のメインバンクを調査した。メインバンクとしての取引先数は、1位が三菱UFJ銀行の12万5942社、2位は三井住友銀行9万9225社、3位はみずほ銀行8万424社だった。4位のりそな銀行は3万9160社でみずほ銀行の半分にとどまり、上位3メガバンクが他を圧倒している。

 5位以下は各地の有力地銀が顔をそろえる。5位北洋銀行2万6014社、6位千葉銀行2万3747社、7位福岡銀行2万2036社、8位西日本シティ銀行2万680社、9位横浜銀行1万9519社、10位埼玉りそな銀行1万9460社の順で、福岡県は上位10行に2行が入り激戦区になっている。

 メイン取引先数は、全国展開するメガバンクと地銀との差が大きい。だが、都道府県の局地戦になると様相がまったく異なる。

 メガバンクがトップシェアを押さえるのは、わずか4都府県にすぎない。東京、愛知、大阪が三菱UFJ銀行、兵庫が三井住友銀行で、みずほ銀行の最高は東京の2位にとどまる。メガバンクは取引先が大企業中心で、現在までの生い立ちから大都市圏で強いが、貸し出しロットが小さくコストのかかる地方は地銀に軍配があがる。

 ただ、地銀が強い43道府県でも、メイン取引社数やシェアなどで事情が異なる。ある地銀の担当者は、「メインバンクで1万社、シェア40%超を確保できると、(その県で)金利競争に巻き込まれずコスト削減や店舗網の維持も進めやすい」と内情を明かす。

 そこで47都道府県トップ行の取引社数とシェアを、独自に4ブロックに分類した。メイン取引社数1万社以上、シェア40%以上を「盤石」。1万社以下、シェア40%以上を「安定」。1万社以上、シェア40%未満を「競争持続」。1万社未満、シェア40%未満を「熾烈な競争」に分け、分析した。