10月から本番!大混乱必至! インボイス&改正電帳法 最新対策マニュアル#4Photo:wakashi1515/gettyimages

インボイス制度の導入で、請求書や領収書など日常業務のルールが変更される。多くの会社に影響を及ぼすため、制度の理解は避けて通れない。特集『10月から本番!大混乱必至! インボイス&改正電帳法 最新対策マニュアル』(全16回)の#4では、何がどう変わるのか、何に気を付ければいいのか。基礎から解説していこう。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

「週刊ダイヤモンド」2023年9月30日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

10月から始まるインボイス制度で
会社員の日常業務が大きく変わる!

 2023年10月1日から本格的に始まるインボイス制度で、会社員の日常業務が大きく変わる。だが、そのことに多くの会社員は気付いていない。影響を受けるのはフリーランスなどの小規模事業者か、自社の経理部門だろうというのが一般的な認識だからだ。

 だが、あなたが営業部門の社員ならば、日々取引先に対して請求書を送ったり、時には飲食店で接待して領収書をもらったりするだろう。購買・仕入部門なら、請求書や領収書のやりとりは日常的な業務に違いない。他にも、出張旅費や備品の購入の際に、自分のお金で立て替えて後に経費精算することは、どの部門であっても当然のように行っているはずだ。

 実は、こうしたビジネス上の通常業務にインボイスは密接に絡み合ってくる。インボイスの正式名称は、適格請求書等保存方式という。要は、国が決めたルールに則した請求書や領収書などを適切に保存せよ、ということだ。つまり、多くの会社員が日常的に扱う請求書や領収書、レシートなどがインボイスに該当し、これまでよりも厳格に運用されることになる。

 ここで問題なのは、インボイスを受け取った場合だ。サイズや様式もバラバラでかつ膨大な量の請求書や領収書がインボイスの記載要件を満たしているか、受け取るたびに毎回チェックしなければならないからだ。

 クラウド型経費精算システムのTOKIUMの調査によれば、「受け取る請求書を正しく処理できるか」「経理以外の社員が正しく理解・対応できるか」という不安の声が多く上がったという。

 では、23年10月以降、あなたの会社やあなた自身の日常業務はどう変わるのか。次ページでは、あなたの会社が直面するさまを、大図解を基に解説したのでぜひ見ていただきたい。