2019年にソフトバンクからカーブアウトとしたEV充電インフラベンチャー、ユビ電。ENEOS、オムロン、オリックス、ソフトバンク、東急不動産ホールディングス、東京ガス、パナソニックといったそうそうたる大企業が出資する業界の注目企業だ。長期連載『エネルギー動乱』の本稿では、特集『EV充電ゴールドラッシュ』に収載しきれなかった、白石辰郎COO(最高執行責任者)に7月下旬に実施したインタビューをお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
EVは自宅で充電できる
「基礎充電」が主戦場
――EV充電インフラ設置事業とのシナジーがありそうな多くの大企業から出資を受けています。まずは事業について教えて下さい。
大前提としてEV充電は、充電スタンドでやる必要はまったくありません。自宅で充電すればよいのです。われわれの事業は、この「基礎充電(普通充電)」をいかにできるようにするかに取り組んでいます。
EV充電はコンセントでできます。一戸建ての方ならコンセントを何の不自由なく利用しています。それができないのがマンションの方。管理組合の合意形成とか、駐車場の所有権がそもそもないとか。そういったハードルがあります。
そこで私たちがやっているのはマンション駐車場へのコンセント設置をお助けするサービスです。
EVが普及しない理由としてよく言われるのが、充電時間が長いとか、航続距離が短いとか、充電場所がないとか。でも実際EVを乗っている方で、誰も課題だと思っていません。乗っていない方が課題だと思っているのです。