豊田章男氏が12~14年に続き自工会会長として再登板したのが、トヨタ自動車社長時代の2018年5月のことだ。当時、東京モーターショーの衰退傾向に危機感を強めていた章男会長は、その歯止めをかけるべく、19年秋の東京モーターショーを自身の“旗振り”の下、新生モーターショーとして新たに企画した。

 異業種の参画やキッザニアと初コラボを実施するなど「オープンフューチャー」をコンセプトに改革の第一歩を踏み出した結果、それまで100万人を大幅に切っていた集客トレンドから一転130万人の来場者数を記録し、東京モーターショー復活への道筋をつけた。

 続く21年の第47回の東京モーターショーは、新型コロナウイルス感染拡大により中止となってしまったものの、豊田章男自工会体制が異例の3期目の続投を決めたことで、19年のモーターショーでの改革をさらに発展させた23年秋の「ジャパンモビリティショー」につながったという流れである。

 すでに昨年22年5月に開催された章男会長の3期目続投会見で「東京モーターショーは次回から日本の全産業を巻き込んだジャパンインダストリーショーとする」ことを章男会長自ら宣言していた。

 今回は19年秋以来4年ぶりの開催となり、参加企業数は前回の192社から倍となる400社超(うち、スタートアップが100社)と過去最大規模となる。これは自動車関連業界だけでなく、情報やIT、金融、エネルギーなど幅広い「モビリティ産業」が集結したことが要因だ。