中国EVメーカーのBYDが急成長!
あのトヨタも提携
中国から電気自動車(EV)世界覇権の座を狙って急成長を遂げているのが、比亜迪(BYD)だ。
「2023年上期(1~6月)世界新車販売で中国BYD初のトップ10」「BYD今上期(23年1~6月)決算で純利益3倍」――。
こうしたニュースが話題になるように、ここへ来てBYDは中国のみならず世界市場において破竹の勢いで販売を拡大するとともに、業績面でも大幅に利益を向上させてEVメーカーとして存在感を高めている。
BYDの23年上期世界新車販売台数は、前年同期比96%増の125万台となり、独メルセデス・ベンツや独BMWを抑え、初めて世界トップ10入りした。ちなみにこれは内燃機関車も含めた全新車販売であるが、BYDは世界の自動車メーカーに先駆けてガソリン車の生産を22年に終了しており、23年からBEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)に集中している。にもかかわらずこの結果である。
世界のEVメーカーの“王者”といえば、かのイーロン・マスク氏率いる米テスラであるが、今やそのテスラを猛追して“新王者”として君臨しつつあるのがBYDなのだ。
BYDの祖業はバッテリー製造で、2003年に中国の国有自動車メーカーを買収して自動車事業に参入した。08年に同社初のPHEVを発表し、10年に金型大手のオギハラの工場を買収したことで日本でも注目され始め、11年にはBEVを発売した。
すでにEVに関して定評があったが、その後、改めてBYDのEV技術力を世界に知らしめたのが、19年にトヨタとEVの共同開発について合意したと発表したときだった。20年4月にトヨタはBYDとEV研究開発合弁会社を設立した。あのトヨタが“ラブコール”を送りEVの技術提携でBYDを選んだのだ。