あなたに最適な心拍数の計算式

 さらに効率的に脂肪燃焼できるように、適切な運動の強さを、個人的な心拍数から割り出せるといわれている方法だ。

  220−年齢=最大心拍数
(最大心拍数−安静時心拍数)×0.7で算出された数値に、さらに安静時心拍数を足す

 こうして算出された数値が「ターゲット心拍数の上限」だ。この数値を超えると運動が激しすぎるので毛細血管に血がめぐらず体脂肪が燃焼されにくくなる。そのため心拍計でこの上限を超えないように、またこのターゲット心拍数にできるだけ近いゾーンで「ハアハア」と運動するのがいい。

 例えば50歳で安静時心拍が60の場合は、
 220−50=170が最大心拍数、170−60=110、110×0.7=77
 77+60=137

 1分間137拍が目標心拍数となる。この目標心拍数を超えない心拍数でできるだけ長く有酸素運動すれば脂肪が最も効率よく燃える。137を超えると運動強度がキツすぎて燃焼効率は落ちていく。サイクリングはギヤの重さと回転数で運動強度をコントロールしやすいので、他のスポーツよりもおすすめなのだ。

 日常の健康維持のために適度な運動をすることはとても有効だが、その中でもサイクリングはどんな人にもおすすめできる。特に体重増加が気になる人にとっては、ひざに負担がかかるジョギングよりもペダル・ハンドル・サドルに自重が分散される自転車のほうが故障を回避しやすい。また脚だけでなく上半身や腰回りの運動にもなるので、全身運動になってシェイプアップ効率も高いのだ。

 最後に、自転車を使って体脂肪を効率よく燃焼させるために必要な機材は…。ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムに出場する選手らが乗る150万円超のロードバイクとは言わないが、多段ギヤが搭載され、長時間走っても疲れないレベルのスポーツタイプが1台。そして手首で心拍測定できる腕時計タイプの心拍モニターが1個。後者は有名メーカーの初級者向けモデルで1万円ほど。機材をそろえることにハードルを感じるようであれば、ジムのマシンから始めるのも一つの手だ。心拍計がついているものも多いので、心拍管理もしやすい。

 心拍計メーカーが無償提供するアプリなどで走行データを記録して、体重増減の推移と比較しながら継続的な有酸素運動をこなしていくのがコツ。こうして自転車のある快適で健康的なライフスタイルを手に入れた人を筆者は星の数ほど知っている。