創価学会 90年目の9大危機#16Photo:Diamonnd,Santiago Urquijo/gettyimages

創価学会の池田大作名誉会長が11月15日の夜、老衰のため95歳で亡くなった。学会の第3代会長に就任した池田氏は生前、日本の宗教界と政治に大きな影響を与え、稀代のカリスマとして特別な存在感を放ってきた。ダイヤモンド編集部では、そんな池田氏に関する大著『池田大作研究』を執筆した知の巨人、佐藤優氏を取材しており、その中で佐藤氏は、学会の「ポスト池田」体制についても言及していた。特集『創価学会 90年目の9大危機』(全16回)の最終回として2020年12月23日に配信したインタビュー記事を再掲する。(ダイヤモンド編集部)

※内容は記事初出時のまま

知の巨人である佐藤優氏が
『池田大作研究』を書いた理由

――2020年10月に600ページ近い大著『池田大作研究』(朝日新聞出版)を上梓されました。この書籍を書かれたきっかけは何だったのでしょうか。

 自公連立政権を担う公明党の支持団体である創価学会の会員は、法曹界や行政官、ビジネス、アカデミズムなどあらゆる分野にいます。にもかかわらず、彼ら彼女らがいったいどういう価値観を持っているのか、伝えるものがそう多くはありません。

 何より、20年は学会にとって特別な年です。11月18日に学会が創立90周年を迎えたのに加え、池田大作氏が第3代会長に就任してから60年目という節目の年に当たるからです。ですが、11月18日には、どの新聞もこのことを報じていません。これには首を傾げざるを得ません。

 なぜなら、現在、公明党は自民党とおよそ20年間にわたり、連立与党を組んでいます。そして、消費税率を10%に引き上げる際に食料品などへの軽減税率を適用する、コロナ禍で1人当たり10万円を給付するといった重要な政策において、公明党が大きな役割を果たしました。

 公明党がこうした政策を取る背景には、学会の価値観があるわけです。つまり、学会を知り、理解しなければ、日本の政治や社会を分析することはできないのです。ですが、なかなかいい文献がありませんでした。そこで、自分で書こうと思ったというのが最大の理由です。

――週刊誌「AERA」(朝日新聞出版)でも連載されていました。