BitCloutは2021年前半に爆発的に伸びた一方、物議も醸している。なぜなら、BitClout上ではElon Musk氏やJustin Bieber氏など有名人のアカウントがたくさんあるが、ほとんどは本人が作ったものではなく、BitCloutチーム側が作ったものとなっているからだ。

そのアカウントが本人が作ったものだと信じ込み、発行しているトークンを購入したユーザーも多数存在し、なりすまし詐欺の理由でBitCloutを起訴するインフルエンサーもいた。ただし、BitClout創業者のNader氏によると、先に公式アカウントを作ったのは、逆になりすましの人を減らすための施策だと主張している、有名人はTwitterでBitCloutのアカウント名をツイートすれば、そのBitCloutアカウントを取得することができる。

以下はEVAで抽出した、BitCloutに関するデータだ。残念ながら、今のところ、BitClout上で発行されたクリエイタートークンはまだ特別なユーティリティ(機能)が付与されておらず、BitCloutの順位を推計したグラフを見ると(上述の物議の悪影響もあり)、2021年後半以降はトラフィックが伸び悩んでいる。

創業者のNader氏はその後「DeSo」というブロックチェーンをローンチすることを発表し、BitCloutはDeSo上で作られた最初のアプリケーションとなる。Nader氏は今後はブロックチェーン基盤となるDeSoの開発に力を入れると宣言している。

Headlineの自社開発ツール「EVA」で抽出した、BitCloutに関するデータ
Headlineの自社開発ツール「EVA」で抽出した、BitCloutに関するデータ

日本発の分散型ブログサービス:HiÐΞ(ハイド)

HiÐΞは日本のスタートアップ・和らしべが開発した分散型ブログサービスであり、分散型CMSだ(編集部注:林氏が所属するHeadline Asiaは和らしべに出資している)。従来のブログプラットフォームは記事データが運営の管理下でマネタイズされていたり、サービス利用料や法外な手数料が徴収されたりしていた。和らしべはそうした状況を問題視し、 SEOや広告依存のビジネスモデルを排除し、運営が関与せず、個人に報酬が永続的に循環するシステム・HiÐΞを開発した。

また、オープンソースプロトコルのHiÐΞ protocolを開発しており、HiÐΞ protocolをベースにしてブログやクラウドファンディング、マーケットプレイス、クラウドソーシングなどアプリケーションの分散化に取り組んでいる。

その他事例:BlueSky、Friends with Benefit(FWB)

BlueSkyはTwitterが2019年に発表した分散型ソーシャルメディアのプロジェクトだが、現在はまだ開発と初期メンバーの採用を行っている段階で、具体的な計画は発表されていない。主な狙いとしては、悪質なコンテンツのモニタリングや削除を、プラットフォームが行うのではなく、民主化されたプロセスでユーザー全員が行えるようにすることだ。