Mirrorではゼロからブログを書くことはもちろんできるが、すでにMediumやSubstackといったパーソナルメディアのプラットフォームで記事を書いている場合は、記事のURLを貼り付けるだけで、コンテンツを自分の手で動かすことなく直接Mirror.xyzにインポートすることができる。記事内にNFT化した画像や動画を簡単にエンベデッドすることも可能だ。

そして、Mirrorは自動的に分散型ストレージネットワークであるArweaveに記事を公開し、コンテンツを半永久的に保存することができる。 さらに、コンテンツクリエイターは記事に「表紙」を付けて、その表紙をNFTとして公開して販売し、気に入った読者はそれを購入することも可能だ。 

また、複数人の共著であれば、記事の最後にお礼や引用の欄を設けるだけでなく、スマートコントラクトによって自動的にNFTの販売収益を按分(あんぶん)することもできる。

ブログ記事以外にも、Mirror上で簡単にクラウドファンディングを実施したり、NFTのオークションを開催したり、指定のトークンを持っている人に対して投票アンケートを行ったりできる。コンテンツクリエイターは広告に頼ることなく、活動を継続させるための資金をさまざまな方法で取得することが可能となる。

以下は筆者が所属するHeadlineの自社開発ツール「EVA」で抽出した、Mirrorに関するデータだ。ウェブ上のさまざまな公開情報を収集分析し、ウェブサイトのトラフィックランキングを作成した上、Mirrorの順位を推計したグラフとなっている。ここ1年で当サイトの順位は29万位から3239位に急成長している。

Headlineの自社開発ツール「EVA」で抽出した、Mirrorに関するデータ
Headlineの自社開発ツール「EVA」で抽出した、Mirrorに関するデータ

Web3型ソーシャルメディア:BitClout(DeSo)

BitCloutはもともとBitcoinと同じく、提案者は匿名となっており、完全オンラインかつオープンソースで、背後に企業や法人が存在しない形で発足した。その後、創業者のNader Ai-Naji氏が正体を明かし、同時にa16z、Sequoia、Coinbase Ventures、Panteraなどから2億米ドル(約220億円)を調達したことを発表した。

BitCloutはTwitterのようなユーザーインターフェースになっており、ユーザーは自由に思っていることをテキストでつぶやくことができる。ユーザーがBitCloutでアカウントを開設すると、自動的に独自トークンが発行される。

自分のトークンや他のユーザーが発行するトークンを購入するには、「クリエイターコイン」というBitClout独自のトークンを使う必要がある。ユーザーがBitClout上で投稿したり、自分の発行したトークンを購入してくれた人に特別なコンテンツを提供したりすることによって、自分のトークンの価値を高めることができる。日本でひと昔流行ったVALUにかなり似ている。