その1週間後くらいにFacebookやTwitterなどのSNSのフィードで「(そのブログやnoteに書かれていた)会社に転職しました!」という友人の投稿を見ると、急にその会社について興味がわいてくる──。読者の中にもこのような体験をした人はいるのではないでしょうか。これが「2つの異なるソースから物事(会社)を知ると急に親近感がわく」というものです。

人は2つの異なる情報ソースから物事(会社)を知ると、自分が興味を持っていたことが肯定されたような気がするのです。採用活動の認知獲得においては、これを会社の立場から逆算して設計し、実践していくことが重要になります。

採用のチャネル選びで大切なのは「感度」

ここからは採用チャネルの話になりますが、採用チャネルを選ぶ際の最も大切なポイントは「感度」です。ROI(投資利益率)や数字などを見ることも大切ですが、“崖の上から飛び降りながら、飛行機をつくるようなこと”が求められるスタートアップにとって大事なのは、丁寧に時間をかけてチャネルを選定するよりも、まずは「試す」ことです。

そこで試すチャネルを探すために「感度」を磨くことが重要になります。ここでは社会の変化だったり、自社とのフィット感だったりといったものを総合して、「感度」と呼んでいます。この力をどう養い、どう育てていけばいいのか。それは自らの目で一次情報を取りに行くことです。例えば、他社の理解や自社の理解です。エンジニア採用であれば、自社のエンジニアや採用したいポジションと関連するメンバーから話を聞きます。当たり前のアクションをサボらないことが感度を磨くことにつながります。

目的に合った適切な採用チャネルの選び方

では、私が勤めているLayerXではどのように採用チャネルを選んでいるのか。その取り組みに加えて、今後採用チャネルがどう変化していくかもお伝えします。

LayerXでは、2021年の1月にSaaSプロダクト「バクラク」シリーズをリリースしたのを機に、それまで半年ほど全く動いていなかった採用活動を一気に再開しました。

サービスを立ち上げる、いわゆるゼロイチのフェーズという背景もあり、とにかく会社の認知拡大とリファラル採用に力を入れました。そして、その目的との相性が良さそうなことから音声SNSの「Clubhouse」、カジュアル面談プラットフォームの「Meety」、キャリアSNSの「YOUTRUST」を活用することにしました。当時の採用体制は広報兼任の私ひとりだけだったこともあり、複数のチャネルを追いかけることは諦め、これらにフォーカスしました。