「オンライン1on1」特有の難しさ

1on1に限らずですが、オンライン会議は対面の会議よりも難易度が高い傾向にあります。人は無意識に相手が話している内容だけではなく、表情や声色・体の動きなど細やかな変化を捉えて、対話をしています。オンラインの場合、対面と比較して情報が欠落し、ちょっとした表情の変化や体の動き、返答の間など、人の持つコミュニケーションの機微が見えづらくなります。

また、画面に向かうためノイズとなる情報が多く、対話に集中し続けることがより難しくなります。つまり、対話の相手から得られる情報は減り、それ以外の情報がノイズとして加わるため、対面での会話と比べて格段に集中力が求められることが最大の難しさであると思います。

一方で、画面に向かっていても相手に一定の視線が配れるため、相手への関心を外しすぎることなくメモが取れ、カメラのON/OFFで情報量をコントロールでき、必要とあれば録画・録音できるなど記録に残しやすいことはオンラインのメリットと言えます。

オンライン1on1で深く相手を理解するためにやるべき10のこと

オンライン1on1でも対面1on1でも、共通して大切にするべきことは「いかに相手が自己開示しやすい環境をつくるか」という点です。

その原則に従い、オンライン1on1の特性をうまく活かし、マネージャーとして上手に1on1を行うためのコツを10のポイントにまとめていきます。

1. 集中できる背景をつくる

Zoom、Teamsなどのオンライン会議ツールでカメラをONにして会話する場合、1on1相手にはどうしても相手の背景が情報として入ってきます。

家だと家族が通りかかったり、オフィスの自席から入ると周囲の人の声が入ったりなど、第三者の存在を感じると、たとえ向こうには音声が聞こえていなかったとしても自己開示できる範囲が狭くなります。

可能な限り1人の空間を確保し、難しければバーチャル背景などを利用して第三者の存在を相手に感じさせない背景をつくりましょう。

2. セルフビューを非表示にする

相手を理解する上で、深い傾聴をすることがとても重要ですが、対話の際に「意識のベクトル」が自分自身に向かっていると、どうしても相手から得られる情報は頭に入ってこなくなります。

オンライン会議ツールは自分自身がカメラで映し出され、自分の顔を見ながら話すのが当たり前になっていますが、どうしても視覚的に意識のベクトルが自分に向けられてしまうきっかけになるため、セルフビュー(自分自身を表示する画面)は非表示にすることがおすすめです。

3. 先に自己開示する

オンラインの場合、一般的な会議と視覚的に変化がない状況で1on1も行われるため、意図的に場の空気の切り替えが重要になります。