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月間30万食のデータを活用、事業者の経営や商品開発を支援 

SHOP STOPはキッチンカーをはじめとする店舗型モビリティと街中の空きスペースをつなぐプラットフォームだ
SHOP STOPはキッチンカーをはじめとする店舗型モビリティと街中の空きスペースをつなぐプラットフォームだ

SHOP STOPはもともとキッチンカーとオフィス街の空きスペースをマッチングする「TLUNCH」としてスタートした。

事業者目線ではキッチンカーは常設型の店舗に比べて初期費用やランニングコストがかからないため挑戦のハードルが低く、移動型ならではの商圏の広さも魅力の1つだ。一方で“良い出店場所”を確保することは簡単ではない。Mellowではオフィス街を中心に優良なスペースを開拓し、適切にマッチングしていくことで事業者を支援しながら事業を拡大してきた。

大きな特徴が出店管理システムを活用した配車の最適化とデータを用いた事業者の経営支援だ。

Mellowの強みは「いつ、どこで、どのお店が、どれだけの売上を上げたのか」というデータを数年分にわたって蓄積していること。キッチンカーを含む店舗型モビリティはその特性上、同じスペースに出店する店舗がどんどん入れ替わる。その際に過去のデータを踏まえながら配車を最適化することで、消費者が飽きずにランチや買い物を楽しめる体験を実現してきた。

「現在はモビリティ事業者が1600台ほど、スペースが670箇所ほどまで増えてきてます。出店枠で言えば月間で1万近い枠を持っており、組み合わせのパターンは何億通りという規模になります。これをシステム化して、テクノロジーを活用しながら顧客体験が悪くならないようにマッチングしています」( Mellow代表取締役の森口拓也氏)

事業者用の管理画面のイメージ
事業者用の管理画面のイメージ

購買データはロケーションだけでなく商材開発などにも活用できる。たとえば同じ「唐揚げ」という商材であっても、「唐揚げ弁当」と「(単品の)唐揚げ5個」ではニーズが全く異なる。それをオフィス近辺で販売するのか住宅地で販売するかによっても、最適な選択肢は違ってくるだろう。

Mellowでは現在SHOP STOPを通じて月間約30万食分の購買データを保持している。場所ごとの販売データなど一部の情報はシステムを介して事業者にも提供しているほか、この資産を用いた事業者への“伴走支援”も強化をしているという。

エンドユーザー向けのモバイルアプリではSHOP STOPに出店している店舗の情報を確認できる
エンドユーザー向けのモバイルアプリではSHOP STOPに出店している店舗の情報を確認できる

物販やサービスにも広がる「店舗型モビリティ」

店舗型モビリティのニーズは何も飲食店に限ったものではない。現時点ではSHOP STOPの登録店舗の約9割を飲食店が占めるものの、直近では物販系やサービス系など少しずつ事業者の幅も広がってきているそうだ。

キッチンカー以外の店舗型モビリティの一例。花や自転車の修理、靴磨き、鮮魚、パンなど幅広い
キッチンカー以外の店舗型モビリティの一例。花や自転車の修理、靴磨き、鮮魚、パンなど幅広い

特にコロナ禍では店舗の出店や拡大を予定していたところを移動販売に切り替えたり、実店舗をたたんで移動販売にシフトするような事業者も増えた。SHOP STOPの利用者も以前は参入障壁の低さからキッチンカーを始める個人が多かったが、直近では「店舗を構えていてもなかなか人が来てくれない」といった理由から店舗型モビリティに挑戦する事業者が増えており、ユーザーの幅や用途も広がってきているという。