老後「誰からも相手にされない人」「人気者になる人」の決定的な違いとは?
42歳でパーキンソン病に侵された精神科医のエッセイが、韓国で売れに売れている。『もし私が人生をやり直せたら』という本だ。「自分をもっと褒めてあげようと思った」「人生に疲れ、温かいアドバイスが欲しいときに読みたい」「限られた時間を、もっと大切にしたい」と共感・絶賛の声が相次ぎ、35万部以上売れているという。
そんなベストセラーエッセイの邦訳が、ついに刊行される。男女問わず、多くの人から共感・絶賛を集める本書の内容とは、いったいどのようなものなのか? 本書の日本語版から抜粋する形で、「人生の限りある時間」の過ごし方について書かれた項目を紹介していく。
老後「誰からも相手にされない人」「人気者になる人」の決定的な違い
人は誰しも、自分の話を聞いてくれる人を必要としています。
話を聞いてもらうことで、自分は重要な人間であり、決して無意味な存在ではないということを確認でき、安心するからです。
ですから、自分が相談を聞く側にある時は、相手に対して有益なアドバイスができずとも、ただ関心を持って聞いてあげるだけで十分です。相手は語ることで気持ちを整理し、解決の糸口を自ら探し出せます。
とは言え、現代社会は気軽に相談しにくい雰囲気があります。弱みを見せたら相手につけ込まれるのではないかと心配だからです。それよりもっと寂しいのは、いざ決心して誰かに相談しようと思っても、それに耳を傾けてくれる人を探すのが難しいことです。
精神治療でよく使われる言葉があります。「No comment is better than any comment」。わざわざ解決しようと無理に語るよりも、だまって聞いてあげることのほうがずっと役に立つ、といういう意味です。42歳でパーキンソン病と診断され、65歳を過ぎた今、改めてそう思います。
意見や批判はNG! ただじっと聞く
ただ、傾聴するというのはなかなか難しいもの。意見や批判を口にしたくなるのをこらえ、ただ聞くというのは膨大なエネルギーを要する作業です。精神科医の間でも、ひとりの患者と1時間向き合うより1時間に10人の患者を診るほうがずっと楽だと言われています。
それくらい、聞く作業というのは大変なのです。
だからもし、あなたに、あなたの話を聞いてくれる人がいるならば、それはとても幸運なことです。その人が存在していることに感謝すべきです。そしてこの際、あなた自身もそんな存在になってみてはいかがでしょうか。
(本原稿は『もし私が人生をやり直せたら』から一部抜粋、追加編集したものです)