大学の収益力を表す指標として、経常収支のほか、一般企業の税引き前損益に当たる「事業活動収支差額比率」も重要な指標となる。薬学部「淘汰危険度」ランキング(本特集#10『薬学部「淘汰危険度」ランキング【全国56私立大学】1位は加計学園に見捨てられた大学、史上初!財務指標付き』)に続いて、特集『薬局・薬剤師 サバイバルダンス』(全24回)の#18では、薬学部のある全国55私立大学の財務ランキングの第2弾として、本当の経営状況を示す「事業活動収支差額比率」ワーストランキングを公開する。( ダイヤモンド編集部 竹田孝洋、野村聖子)
大学本来の経営状況が分かる
「事業活動収支差額比率」ランキング
薬学部の淘汰圧が高まっている。今や、私立大学の約半数が定員割れ、3割で入学定員充足率が8割を切っており、このまま学生が集まらなければ財務状況の悪化は必至だ。
しかも、2022年8月に発表した「6年制課程における薬学部教育の質保証に関するとりまとめ」において、文部科学省は学生が集まらない大学に対して、今後私学助成金の減額・不交付もあり得るとしている。
在学している大学がお取りつぶしの憂き目に遭うなど目も当てられない。これからの薬学部選びで、大学の財務状況をチェックしておくのは必須事項といえる。
今回、薬学部のある全国55私立大学の財務諸表について18年~22年度の5年間分を分析し、八つの経営指標ごとにランキングを作成。次ページでは、その第2弾として、財政面での将来的な安定性を測る「事業活動収支差額比率」を公開する。